ミニチュアMZ-80Kの製作

MZ-80Kの1/5ミニチュアを可動PC化

動きます!

このMZの模型は大昔の1981年、当時高校生の自分がフルスクラッチで製作したものです。
実機のボディが直線主体のデザインで、プラ板を貼り合わせて作る工作には向いていましたが、正確に組み上げて綺麗に着色するのは大変で、とくにキートップの文字をすべて筆塗りで仕上げているところなど涙ぐましいものがあります。
当時はそれだけ情熱があったんでしょうね。今同じことをやれと言われてもできません。

昨年ラズペリーパイゼロというフリスクサイズのワンボードPCがリリースされました。
2017年明けには無線機能搭載のZero Wの発表ときて、今秋にはハル研から1/4スケールのSmileBASIC搭載 MZ-80Cが発売されることとなり、これも何かの縁ということで、当時と現在のテクノロジーを再確認する意味でもがんばって工作しました。

<コンセプト>

  • 実機を再現した1/5ミニチュアPCにパーツを埋め込み、実際にPCとして使って遊ぶ。
  • 1978年発売の8bitコンピュータと2017年時点のテクノロジーを比較してみる

<機能>

  • CPUボード:ラズベリーパイゼロW (CPU1Ghz、メモリー512MB)
  • ディスプレイ:1.5inch TFT、NTSC入力

  • サウンド:ラズパイからのPWM信号を簡易フィルタ経由でステレオオーディオジャックに出力
  • 通信:ボード搭載のWiFiとBluetooth
  • OS:Raspbian (ラズパイ標準のGUIデスクトップ環境)
  • 入力装置:単体では無し。有線/Bluetoothデバイスを接続するか、他のスマホやPCからVNCビューアなどのリモート接続で操作する

  • 電源:リチウムポリマーバッテリー2000mAh、稼働時間未計測(2時間は保つ?)

<内部回路構成>

<工作上のポイント>

  • 通常は無線で操作できるとはいえ、緊急時には有線接続が必須となるため、ラズパイの端子とSDスロットはすべて直接アクセスできるようにケース開口。

  • 充電端子は背面の上部シャシー左側に開口。チャージ中ランプは内部LEDを光ファイバーで導光。

  • キーボード右側のインジケータLEDは筐体内部の給電LEDから光ファイバーで導光して表現。
    (ちょっと光量不足)

  • パワースイッチはケース左下手前に小さなスライドスイッチを設置

  • ケースは背面のヒンジを介して全体が開くように工作。閉じた時の保持力は先端のマグネットで。
    (この実装は1981年には自分の能力が不足していて実現できなかったこと。今回はヒンジの形状が複雑になったので3Dプリンタで形成し、真鍮パイプなどを組み合わせて工作した)

  • バッテリー交換や万が一の故障などのトラブルに備えて、ボードの配置やケーブルの取り回し、コネクタの追加などをメンテナンス性を考慮して設計。

  • 放熱は今回の最大の課題。CPUそのものは熱による非可逆的破壊などは起きないはずだが、今回はケース内部の部品密度が高く、慎重に対策した。
    • CPUに小型の銅製ヒートシンクを装着。グラインダーで削って表面積拡大加工。
    • 筐体底面に穴を開け、ボード裏側から3Mの放熱シートを介して底面に貼った銅板へ熱を逃がすようにした。

  • 外装はとくに手を入れず、1981年当時のまま。一ヵ所筐体に隙間があったところだけ補修。

<実際に使ってみて>

  • 画面の表示小さすぎw、これ単体で何かPCらしい作業を完結させることは至難の業。
    →HDMI端子も生きてるのでいろいろつなげば快適性は上がりますが・・

  • CPU負荷が高い仕事を連続させると底面の銅板がホカホカになります。それだけ吸熱効果はあるということだけど、やはり発熱はコンピューティング技術と不可分の問題ということを実感。

<まとめ>

  • 実用面ではこれよりも普通にスマホ使った方がはるかに快適なわけですが、懸命に動いている様子があって可愛いですね。ビンテージマシンに再び火が入ったような感じ。
  • 感覚的には別人の作品とのコラボレーションみたいな感じ。36年の時を超えた自分との再会というか。
  • このようにラズパイゼロWはホビー系の素材として魅力的なプラットフォームです。
    ぜひ皆さんも遊んでみてください。
  • 製作中の画像集はGoogleフォトにまとめております。
    Google Photo Albumへのリンク

<おまけ>

MZが発売されたのが1978年末、約39年の歳月を経てラズパイゼロWと比較するとコンピュータの性能はどれだけ進歩したのでしょう。

  • 運搬するならカートに載せてたレベルの機械が手のひらで電池で動くようになり、
  • 計算能力は千倍超(高精度演算なら1万倍以上?もっと?)、メモリー容量は1万倍になり、
  • モノクロテキストだった画面表示は超高精細フルカラーになり、
  • 通信機能でなんにでもつながるようになって、
  • それが1/20以下の価格で手に入るようになった

大雑把に言うとこんな感じですね。
次の39年後、2056年にはどうなっているでしょうか。